静岡市長選挙「選挙違反」事件の第11回公判が、3月31日、静岡地方裁判所で開かれ、この公判で結審となりました。
公判の冒頭で弁護側の求めにより、同じ事件で起訴され有罪判決が出された宮澤圭輔・静岡市議会議員(当時)に対する検察の取り調べ録画の一部が、証拠として提出され、法廷で再生されました。この中では、起訴事実となった街頭でのビラ配りが公職選挙法違反(事前運動)になるかどうかについて、宮澤氏と取り調べ検事の間で見解の相違があり、厳しいやりとりがあったことが録画されていました。
その後、検察官の論告・求刑が行われました。その内容は、基本的には起訴状・冒頭陳述要旨に記された内容を繰り返したものであり、11回にわたる公判で示された証拠や被告側の反論に応えるものとはなっていませんでした。にもかかわらず、検察官は、公職選挙法違反により懲役2年を求刑したのです。この求刑は、同じ事件で有罪となった宮澤圭輔氏や高田隆右・選対本部長(選挙当時)に対する懲役1年6か月の求刑を超える厳しいものです。
審理された事実を踏まえない検察側の求刑に対し、強く抗議します。
その後、公判は弁護団の最終弁論に移り、小川秀世、平岡秀夫、酒田芳人各弁護人からの弁論が行われました。これまでの審理を踏まえたその内容は、
① 違法・不当捜査なので公訴棄却に値する。
②今回のビラ(チラシ)は違法ではない。同様のビラがこれまで全国各地で配布され続けている。
③今回の街頭ビラ(チラシ)配りは選挙運動ではない。
④「高田とも子です。よろしくお願いします。」は投票依頼の言葉ではない。また、その言葉の使用に斎藤まさし被告の関与・共謀はない。
⑤ 違法・不当な政治介入・選挙干渉で適用違憲(憲法に違反する公職選挙法の適用)だ!
という極めて明快なものでした。
最後に、斎藤まさし被告から最終意見陳述が行われました。斎藤さんは、まず、今回の捜査は異例・違法なものであり、宮澤圭輔氏や高田隆右氏を政治活動ができない状態に追い込んだ政治介入の罪は極めて重い、警察・検察が政治的中立という原則を逸脱している、と指摘しました。そして、捜査の過程での警察・検察による証拠の捏造や隠滅などを批判し、利益誘導や事前運動の共謀は成り立たないと主張しました。さらに、締めくくりとして、公職選挙法の歴史的な経緯を踏まえ、裁判官が、自由で公明適正な選挙を行うことを目的とした法の本来の趣旨に則った判決を出すよう、強く求めました。
斎藤さんの陳述が終わると、法廷を埋めた傍聴者から、そして入りきれずに廊下で耳を澄まして聴いていた多くの市民から、大きな拍手が起こりました。裁判長もこれを制止するのをためらうほどの大きな拍手でした。
これで、11回にわたる公判は結審しました。
判決は、6月3日(金)午後1時10分より、同地裁で言い渡されることになりました。
「チェックの会」は判決に向け、斎藤さんの無罪を求めて活動していきます。皆様のお力添えを心よりお願いいたします。
以下に、結審後の被告・弁護団による記者会見の内容をまとめたものを掲載します。15分の動画です。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/-XNiFXr6YHo
また、弁護団最終弁論や被告人最終意見陳述の内容についても掲載予定です。